サブレブルトンとサブレブルトンショコラのために見つけた塩のお話です。
サブレブルトンの故郷、フランス・ブルターニュ地方はゲランドなどに代表されるように
塩田を使った海水の食塩が使われています。
それなら
日本の海水から作られた食塩を探してみよう!と考えました。
そのときに思い出したのが、和歌山に住む祖父のことです。
祖父は戦争の経験から、いつもこう言っていました。
「人にとって、動物にとって塩は欠かせないもの。」
食卓の自分の席のうしろには、戸棚のなかに“My塩”の小瓶を入れていて、
食事のときに出しています。
そんな祖父に、お菓子のための塩を探している、と相談してみました。
祖父はひとつのファイルを出してくれました。
新聞や雑誌の記事、塩の商品のパッケージを丁寧に書き写してファイルしていました。
こんな研究をしていたとは知りませんでした。
祖父のファイルを読んでいると、日本で売られている多くの商品は
アフリカなどから輸入した塩を日本の海水と混ぜて作っているもの。
一押しは和歌山産
「くろしお食塩」でした。
祖父の戦友・中山嘉久さん(90歳!)が経営する「くろしお製塩工業」のものです。
黒潮の海水100%を炊いて、塩の結晶を作っています。
(前略)
昭和19年初めから、衛生兵として、大阪陸軍病院で勤務。塩分不足で動けなくなったり、戦病死したりした兵士の世話をした。
その経験がきっかけとなり、塩づくりを考えはじめた。「ミネラルを豊富に含んだいい塩を残したい。それが戦病死した兵士の鎮魂になる」
中山さんがが考える「いい塩」とは、「苦い塩」。
「苦いのはミネラルを含んでいるから。そのおかげでただ苦いだけでなく、風味があり、塩に甘みが残る」
(中略)
最後まで煮詰めてできた結晶は、海水から水を除いた「にがり」とほぼ同じ。ナトリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれている。近く、カプセル状の健康食品として販売する予定だ。
(中略)
「いい塩であれば、健康にいい影響を与える。健康のために、塩分の摂取を控えるという、今の“常識”を変えたい」」その語り口からは、若者に負けないやる気が伝わってきた。
(2004年2月4日紀州新聞記事より抜粋)
「くろしお食塩」や他の天然塩を祖父に分けてもらい、
また自宅にあった塩も何種類か味見をしてみました。
圧倒的に味に深みがあったのが、やはりこの「くろしお食塩」。
サブレブルトンに入れてみても、精製塩を使ったときとぜんぜん味が違いました!
“あとを引くおいしさ”とはこのことではないでしょうか??
Petite Ayakoのサブレブルトンとサブレブルトンショコラには
「くろしお食塩」に決まりです!
■くろしお食塩工業
http://www2.ocn.ne.jp/~aritafum/kuroshio.htm
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